断捨離の逆効果。物への執着を捨てるという「考え」に執着し過ぎていないか?

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2010年の流行語大賞にノミネートされた「断捨離」。今では、物を捨てることを「断捨離する」なんて言う人もいるくらい、すっかりメジャーな言葉になりました。

そんな断捨離ですが、その「考え」に執着し過ぎてしまうと、生活の質を上げるどころか、生活の質を下げてしまうことになるかもしれません。

断捨離の「考え」に執着し過ぎてしまうとどうなるのか。そして、執着し過ぎてしまった場合、どうすればよいのかを考えてみたいと思います。

断捨離のコンセプト

まず、断捨離のコンセプトを見直してみましょう。断捨離の発案者、やましたひでこさんのサイトには以下のようにあります。

断捨離とは、モノへの執着を捨てることが最大のコンセプトです。
モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、心もストレスから解放されてスッキリする。これが断捨離の目的です。

断捨離 やましたひでこ公式サイト

断捨離の最大のコンセプトは、「モノへの執着を捨てること」。

そして目的は、「身の回りをキレイにすること」と「ストレスから解放されてスッキリすること」。

簡単にいえば、「身の回りをキレイにして、スッキリするために、モノへの執着を捨てましょう」ということ。

決して、物を捨てること自体が目的ではありません。物を捨てることは、あくまでスッキリするための手段なのです。

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物への執着を捨てるという「考え」に執着し過ぎるとどうなるのか?

人は、何かを信じ過ぎてしまうと、柔軟に考えたり、臨機応変に行動することができなくなってしまいます。

断捨離も同様。「物への執着なんて捨てたほうがいいんだ」という考えに執着し過ぎてしまうと、柔軟に考えることができなくなってしまいます。

そして、柔軟に考えることができなくなってしまうとどうなるのか?

物を捨てるたびに、自分は正しいことをしていると思い込むようになります。そして、物を減らせば減らずほど、精神的な満足感を得られるようになっていきます。

そして次第に、”捨て”がエスカレートし、必要な物まで捨てたり、何か捨てる物はないかと”捨てる物探し”を始めるようになります。

そして、捨て過ぎてしまった結果、物がなくなるとどうなるのか?

生活の質が下がる

冷蔵庫を捨てたという人がニュース番組に出演していて、ネットで話題になりました。

冷蔵庫のある暮らしと、冷蔵庫のない暮らし、生活の質が高いのは、明らかに冷蔵庫のある暮らしですよね。

繰り返しになりますが、物を捨てまくる人たちは、物を捨てることで精神的な満足感を得ようとします。本人は物から離れることはいいことだと盲信しているので、客観的に見れば生活の質が下がっていても、そのことに気づきません。

「物に執着しないほうがよい」と決めつけてしまうのは、何も考えていないのと同じ。物があることで得られる価値と物を持たないことで得られる価値があるのに、そんなことすら考えることができなくなるのです。いわゆる「思考停止」です。

それと似たような話しの最もたるものが、宗教ではないでしょうか。精神的な満足感と引き換えに、多額の寄付をしてしまい、財産を失ってしまう人がいるとか、いないとか。

本人はそれで満足しているので他人がとやかく言う筋合いはありませんが、客観的に見れば、生活の質を下げているだけ。物質的な満足感よりも、精神的な満足感を求める気持ちはわからなくもありませんが…。

私のような俗物的な人間は、物を持たない自分にウットリするよりも、暮らしを豊かにしてくれそうな物は手に入れて、できるだけ生活の質を上げていくほうが遥かに幸せを感じます。

物への執着を捨てるという「考え」に執着し過ぎてしまったときの対処法

断捨離の考えに執着し過ぎてしまったときの対処法としては、他人の言うことや他人の考えたことを盲信するのではなく、自分で考えて、行動するしかありません。

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

茨木のり子『倚(よ)りかからず』

言ってしまえば「断捨離」なんて、他人が考えたこと。自分の暮らしは、自分で考え、自分でつくる。それが日々をよくする近道だと思うのです。

断捨離の「考え」を断捨離しよう

物から解放されてスッキリするはずの断捨離。ですが、「物への執着を捨てるのはいいことだ」と信じ込んでしまった人は、その考えに縛られてしまうため、逆にスッキリできなくなってしまいます。

あくまで断捨離の目的は、「身の回りをキレイにすること」と「ストレスから解放されてスッキリすること」。「捨てなきゃ、捨てなきゃ」と、そればかり考えていては、逆にストレスをため込んでしまいます。

結局のところ、ストレスから解放されてスッキリするためには、物だけでなく「考え」からも解放される必要があるのです。断捨離の「考え」を断捨離です。

何事にも按配がある

何事にも按配があります。体重管理でも、何も考えずに食欲に任せて好きな物ばかり食べていたらブクブクと太ってしまいます。逆に、食欲を押さえつけて極端なダイエットを行うと不健康になってしまいます。

適度な食事制限と運動があってこそ、健康的な体を保つことができます。捨て過ぎてしまっている人は、ダイエットに例えるなら拒食症のようなもの。生活に必要な栄養が足りなくなっています。

物は、あり過ぎると毒になりますが、不足しすぎると日々の暮らしが栄養不足になってしまいます。暮らしに贅肉がつき過ぎるのもよくありませんが、やせ細ってしまうのもよくありませんよね。

まとめ

物への執着を捨てるという「考え」に執着しすぎてしまい、生活に必要な物や暮らしに潤いを与えてくれるような物まで捨ててしまうと、生活の質が下がります。

日々を心地よく暮らすためには、他人の考えたことなんぞ盲信せず、自分で考えていくのが一番ではないでしょうか。

自分で考えて、自分で行動しているつもりでも、実は踊らされていることも多いので要注意ですよ!

この前、スーパーで買い物をしているときに美味しそうなレトルトのパスタソースを発見したのですが、値段が一般的なものの1.5倍くらい。

「高級そうなパッケージに踊らされている感満載だなと思いつつも、他のものより美味しいかも」と思ったのが大間違い。激マズでした。やはり、高級そうなパッケージに踊らされただけでした。

最近流行りのミニマリストも、物があふれる今の時代に踊らされているだけかもしれません。彼らは、自分でその暮らしを選択したように思っているかもしれませんが、実は、今の時代のアンチテーゼになっているだけなのかも。

できることなら、何にも寄りかからず、自由に暮らしていきたいものです。

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